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Child’s rights should be discussed carefully
「日本社会の相対的貧困率」はOECD加盟35カ国中で28位 (2017年) と国際標準から遅れている。とりわけ「17歳以下の子どもの貧困率」は約13.5% (7人に1人) に陥っている。近年、特に問題視されているのが ”ふたり親世帯” と ”ひとり親世帯” の格差で、前者の貧困率10.7%に対して後者は48.1%と約4.5倍の開きがある。この問題に対して、2021年3月より離婚した父母間における療育費の不払い問題を「療育費請求は子の権利」と民法に明記する改正案が議論され始めた。離婚後も共同親権にすべきとの意見もあるが日本では親権は親のどちらか一方にしか認められない。母性優性の原則も相まって母親が子を引き取る例が多い。そんな最中、母子世帯の7割以上が父親から療育費を受けられていない現状が厚労省より報告された。療育費に関する取り決めが定まらないまま早期に離婚に至る例も多いという。
さて議論に先立ち、私が知りたいのは ”支払いが出来ていない側の親の経済状況” である。米国内の調査によると、母親と離婚した父親の相対貧困率は総じて高く、経済的に困窮状態にある例が多い。また鬱病などの精神疾患やアルコール依存症に罹患している例が多く、雇用を得られず失業率が高い。日本の実情が米国同様であるならば、民法上支払えない父に対して支払わない罰則規定を設けても、根本的な問題は解決しない。詳細なデータを示すとともに、先ずはひとり親に対する就労支援、雇用の確保、そして子の権利に対する経済的援助の具体策を検討していいただきたいものである。
「こども庁を立ち上げる」という目玉公約を某党が掲げる動きもあり、今後この議論は加速するだろう。世論が子の療育費を支払わない親をバッシングする短絡的な論調に向かないでほしいと願う。失業率が上昇しているコロナ禍の昨今、ここは是非とも慎重な法改正の議論をお願いしたい。
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