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Space pollution has begun
「地球は青かった」、この言葉の主とされる旧ソ連の宇宙飛行士、ユーリイ・アレクセーエヴィチ・ガガーリンが1961年にボストーク1号に単独搭乗し、人類初の有人宇宙飛行を遂げてから今日で60年の月日が過ぎた。この偉業に先立ち、ソビエト連邦では1957年10月、世界初の人工衛星であるスプートニク1号の打ち上げにも成功している。以来、中国、米国、ロシア、欧州、日本、インド、カナダ、ドバイほか世界の国々が宇宙開発の名のもとに人工衛生やロケットなどの打ち上げを繰り返し、今やその回数は4,000回を超えている。数多くの人工衛星による通信技術が進歩したことにより、地上にいる我々の生活は遠隔NAVIシステム、GPS、スマートフォンなど新しい恩恵を受けて豊かになった。地球から打ち上げられた人工衛星やロケットは、平均海洋面から高度160Km~2,000㎞の大気圏の外側の地球周回軌道を、秒速8㎞・90分で地球上空をひと周りする超スピードで周回しながら地上と様々な情報のやり取りを行っているのである。
しかし今日、宇宙空間では次世代に及ぶ深刻な問題に対峙している。地球から打ち上げられ耐用年数を過ぎた人工衛星や故障・破損したロケットの破片などの大量の宇宙ゴミ (スペースデブリ) が、この空間を超スピードで周回しているのだ。1m以上のサイズの宇宙ゴミだけでも5,000個以上あり、小さな破片を含めるとその数およそ1億5,000万個以上、総重量は4,500トンを超えるという。これではいつ何時国際宇宙ステーション (ISS) と周回軌道上の宇宙ゴミが衝突事故を起こしてもおかしくない状況といえる。今や人類が破壊しているのは緑や海洋などの地球環境やオゾン層だけではない。人類の宇宙開発の歴史は、宇宙空間環境汚染の歴史の始まりでもある。
ところで実は冒頭の「地球は青かった」と言う言葉をガガーリンは残していない。彼が述べたロシア語は “Небо очень и очень темное, а Земля голубоватая.“ つまり直訳すると「空はとても暗かった。一方、地球は青みがかっていた…」である。イーロン・マスク率いるスペースX社は2021年3月5日、ISS往復10日間の宇宙旅行チケットの発売を5,500万ドル (約58億円) で開始した。人類の宇宙移住が一般化する近未来、その時宇宙空間から観える地球は果たしてどんな色をしているだろうか…
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