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SNSは最先端の兵器でもある
全世界が不安ながら行方を注視するウクライナvsロシアの戦争であるが、市民を兵に動員してまでウクライナが世界各国に助けを求める一方で、米国を始めとする北大西洋条約機構 (NATO) とパートナーの国々は、一貫して自国の軍隊を発動させることなく、ロシアとベラルーシに一貫した経済制裁の戦略を維持している。SNSでは西側諸国が軍隊をウクライナに直接軍隊を派遣しないことを弱腰と見る短絡的な意見が数多く散見される。しかしロシアが6,000発、対する米国が5,500発も保有する核の引き金を1発でも引くことが自軍の全滅を意味することは誰の目にも明らかである。ロシアは一発でウクライナを全壊させる破壊力のある核爆弾を保持しながらも、封を切ることが出来ない。だからこそ西側諸国もロシアとの直接交戦をひかえ、経済制裁をしつつ、敵軍の機密情報を意図的にメディアで公開する情報戦に徹して戦っている。ロシア軍の戦車にウクライナ市民が火炎瓶と機関銃で抵抗する…そんな第二次世界大戦を延長したようなマニュアルの戦いが、現代の戦いのリアルである。勘違いしてはならないのが、ウクライナで起きている戦いは兵器や武器を用いた人海戦術によるマニュアルの戦いであるが、同時に戦況は全世界を巻き込んでいることだ。多くの国々が外交戦術による理不尽な経済制裁を行い、また高度な技術力を持つネットハッキング集団はSNSによりフェイクニュースや言論統制を目的として様々な偽りの情報を拡散している。軽視してならないのは、かつては情報戦と称されたこれら国境を越えたネットワークの威力が、昨今では強大な兵器に匹敵する破壊力を備えていることだ。
歴史的にも戦いのツールは科学技術の進歩と共に変遷を遂げてきた。地上波を通じて人々が初めて戦争の実況中継を眼にしたのは湾岸戦争であった。その後、インターネットが国境を超えるとイスラム国と称する武装勢力が次々にサイバー・テロを駆使し大国に挑む時代を迎えた。そうした観点からこの戦いを論ずるに、ウクライナとロシアの戦いは、SNS時代になり初めての国家間戦争と位置付けても過言でない。然るに今やSNSは最先端の武力兵器である。
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